図面を作成する目的は、図面作成者の意図を、図面使用者に確実かつ容易に伝達することにある。
図面は、「製図の目的」を達成するために、次の要件を満たしていなければならない。
製図の基本原則は、「JIS Z 8310 製図総則」及び「JIS B 0001 機械製図」の最新規定に基づき製図することである。
JIS規格の改正又は制定された規定は、それ以降の製図で反映させる。
改正前の図面は、編集しないものとする。
図面の大きさ及び様式は、「JIS Z 8311 製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式」の規定による。
図面の大きさは、対象物の大きさ、図形の複雑さ等を考慮し、図の明瞭さを保つことが出来る範囲で、最小のものを選ぶものとする。
図面の様式は、「製図-用紙」規定に準ずる。
図面に用いる線は、「JIS Z 8312 製図-表示の一般原則-線の基本原則」及び「JIS Z 8321 製図―表示の一般原則―CADに用いる線」の規定による。
但し、他の規格に別に規定しているものについては、その用法に従った線を用いる。
寸法数字、文字記号、注記など、図面に用いる文字は、「JIS Z 8313 製図-文字」及び「JIS B 3402 CAD機械製図」の規定による。
図形の表し方は、「JISZ8316製図-図形の表し方」の規定による。
投影法は、「JISZ8315製図-投影法」の規定による。
投影法は、「第三角正投影法」を原則とする。
尺度は、「JISZ8314製図-尺度」の規定による。
尺度は、「ISO推奨尺度」とし、中間尺度は禁ずる。
尺度は、対象物の大きさ、図形の複雑さ等を考慮の上、図の明瞭さを保つ様に選定する。
ISO推奨尺度
倍尺 | 2:1 | 5:1 | 10:1 | 20:1 | 50:1 |
---|---|---|---|---|---|
現尺 |
1:1 |
||||
縮尺 | 1:2 | 1:5 | 1:10 | 1:20 | 1:50 |
但し、下記の部品のみ「固定図法」を採用するため適用外とする。
データ入力値は、「現寸」を原則とする。
但し、下記の場合は適用外とする。
立体図法の部品図に限り「中間尺度による比例寸可」とする。
但し、「擬寸」は形状を著しく変える恐れがあるため不可とする。
図形の大きさと対象物の大きさとの間には、正しい比例関係を保つ様に描く。
但し、固定図法が許される部品図は除く。
図面に描いた図形に、対象物の大きさ、位置、姿勢を定量的に示すために寸法を記入する方法は、 「JISZ8317製図-寸法記入方法-一般原則、定義、記入方法及び特殊な指示方法」の規定による。
図面に記入する寸法には、互換性を含め機能上必要な場合、「JIS Z 8318製図−長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法」規定に準じて、寸法の許容限界を指示する。
製作する対象物の寸法には“ばらつき”があるため、「許容差-一般公差」規定に準じて、「普通公差」として寸法の許容限界を指定する。
形体のエッジを規制することを要求する場合は、「許容値-公差表示」規定に準じる。
サイズ形体に、はめあいを要求する場合には、「許容値-はめあい公差」規定に準じる。
図面に描いた図形は、対象物の形を示すものであり、その寸法は指示した寸法による。
長さ寸法は、特に指示(包絡条件の適用等)がない限り、その対象物の測定を二点測定によって行うものとして指示する。
1)対象物の形体の幾何公差を用いて図示する方法は、「許容差-寸法及び幾何公差」規
定に準ずる。
2)形体の形状、姿勢又は位置の幾何偏差は、特に指示(最大実体公差方式の適用等)が
ない限り、形体に指定する寸法によって規制されない。
3)図面に指定する公差のうち、形体の形状、姿勢、位置、振れについては、原則として幾何
公差によって図示する。
4)幾何公差は、機能上の要求、互換性、製作技術水準等に基づいて不可欠の場合にだけ
図示する。
5)各形体に幾何公差を直接記入しないで、その公差を一括して図面内に指示することが出
来る。
なお、一括指示もない時は、通常の製作技術による精度に任す。
6)幾何公差を指示しても、製作方法、測定方法又は検査方法を限定するものではない。
もし、特定の方法を限定したい時は、別に指示する。
7)寸法の許容限界と幾何公差との間に関連がある場合(包絡の条件を適用及び最大実体
公差方式を適用)には、そのことを記号によって図示しなければならない。
8)幾何公差付き関連形体を関連付けるためのデータムについては、下記規格の規定によ
る。
JISB0022幾何公差のためのデータム
1)対象物の面の肌に関する要求事項を記号を用いて指示する方法は、「面仕上記号」の
規定による。
2)面の肌に関する指示は、対象とする面、除去加工の要否及び表面粗さについて行う。
機能上、体裁上、特に必要がある場合には、その面の加工方法、筋目方向、表面うねり
も下記規格の規定により指示する。
JISB0031製図-面の肌の図示方法
1)書き方は、「左横書き」とする。
2)専門用語は、原則として用語に関するJISに規定した用語を用いる。
出図後において図面を変更した時は、変更個所に訂正記号を附記し、変更前の図形、寸法等は適当に保存する。
この場合、変更の日付、理由等を明記する。
国際単位である「SI単位系」とする。
JIS | ISO | 名称 |
---|---|---|
JISZ8310 | 製図総則 | |
JISZ8114 | ISO10209 | 製図−製図用語 |
JISZ8311 | ISO5457 | 製図−製図用紙のサイズ及び図面の様式 |
JISZ8312 | ISO128 | 製図−表示の一般原則−線の基本原則 |
JISZ8313 | ISO3098 | 製図−文字−第0部、第1部、第2部、第5部、第10部 |
JISZ8314 | ISO5455 | 製図−尺度 |
JISZ8315 | ISO5456 | 製図−投影法−第1部、第2部、第3部、第4部 |
JISZ8316 | ISO128 | 製図−図形の表し方の原則 |
JISZ8317 | ISO129 | 製図-寸法及び公差の記入方法 |
JISZ8318 | ISO406 | 製図−長さ寸法及び角度寸法の許容限界記入方法 |
JISZ8322 | ISO128 | 製図−表示の一般原則−引出線及び参照線の基本事項と適用 |
JISB0021 | 製図の幾何特性仕様(GPS) | |
JISB0022 | 幾何公差のためのデータム | |
JISB0023 | 製図-幾何公差表示方式 | |
JISB0024 | 製図−公差表示方式の基本原則 | |
JISB0025 | 製図−幾何公差表示方式-位置度交差方式 | |
JISB0026 | 製図-寸法及び公差の表示方式−非剛性部品 | |
JISB0031 | 製図-面の肌の図示方法 | |
JISB0001 | 機械製図 | |
JISB0002 | 製図-ねじ及びねじ部品-第1部、第2部、第3部 | |
JISB0003 | 歯車製図 | |
JISB0004 | ばね製図 | |
JISB0005 | 製図−転がり軸受-第1部、第2部 | |
JISB0006 | 製図-スプライン及びセレーションの表し方 | |
JISB0011 | 製図-配管の簡略図示方法-第1部、第2部、第3部 | |
JISB0041 | 製図-センタ穴の簡略図示方法 | |
JISB3401 | CAD用語 | |
JISB3402 | CAD製図 | |
JISB3410 | ISO9179 | プロッタ用語 |
JISZ8321 | ISO128 | 製図−表示の一般原則-CADに用いる線 |
ISO16792製図: デジタル製品定義データ実施規範