1標準公差
1-1適用部品
下記の部品のみ適用とする。
1)除去加工又は板成形部品全般
なお、次の部品については適用するものとするが、「受渡当事者間の合意」に基づくもので
なければならない。
2)金属焼結部品
3)小物プラスチック成形部品
1-2表示方法
下記の構成による「等級記号表示」とする。
1)「長さ及び角度寸法の普通公差」のみを適用させる表示
JISB0405-長さ及び角度寸法
の公差等級記号
2)「長さ及び角度寸法の普通公差」と共に「幾何普通公差」を適用させる表示
JISB0419-長さ及び角度寸法幾何公差
の公差等級記号等級記号
1-3常用する適用一般公差
加工手段によって異なる公差等級とする。
1)プレス加工部品
専用金型を用いる加工
外形及び穴抜き:JISB0419-fH
曲げ及び絞り:JISB0419-mK
専用金型を用いない加工(レーザー、ターレットパンチ)
外形及び穴抜き:JISB0419-mK
曲げ:JISB0419-cK
2)レース加工部品:JISB0419-mH
JMDT02023/9
1-4長さ及び角度寸法公差
1)面取り部分を除く長さ寸法に対する許容差
(単位:mm)
公差等級
寸法の区分fmcv
精級中級粗級極粗級
0.5以上3以下±0.05±0.1±0.2-
3を超え6以下±0.3±0.5
6を超え30以下±0.10±0.2±0.5±1.0
30を超え120以下±0.15±0.3±0.8±1.5
120を超え400以下±0.20±0.5±1.2±2.5
400を超え1000以下±0.30±0.8±2.0±4.0
1000を超え2000以下±0.50±1.2±3.0±6.0
2000を超え4000以下-±2.0±4.0±8.0
2)面取り部分の長さ寸法に対する許容差
(単位:mm)
公差等級
寸法の区分fmcv
精級中級粗級極粗級
0.5以上3以下±0.2±0.4
3を超え6以下±0.5±1.0
6を超えるもの±1.0±2.0
3)角度寸法の許容差
公差等級
寸法の区分fmcv
精級中級粗級極粗級
10以下±1°±1°30′±3°
10を超え50以下±30′±1°±2°
50を超え120以下±20′±30′±1°
120を超え400以下±10′±15′±30′
400を超えるもの±5′±10′±20′
JMDT02024/9
1-5幾何公差
普通幾何公差は、下記7点の幾何公差を除く全ての幾何特性に適用する。
円筒度線の輪郭度面の輪郭度傾斜度同軸度位置度全振れ
1)単独形体に対する公差
真直度及び平面度(単位:mm)
寸法の区分公差等級
HKL
10以下0.020.050.10
10を超え30以下0.050.100.20
30を超え100以下0.100.200.40
100を超え300以下0.200.400.80
300を超え1000以下0.300.601.20
1000を超え2000以下0.400.801.60
真円度
直径の寸法公差の値に等しく採るが、次項の「半径方向の円筒振れ公差」の値
を超えてはならない。
2)関連形体に対する公差
平行度
寸法公差と平面度公差、真直度公差とのいずれか大きい方の値に等しく採る。
直角度(単位:mm)
寸法の区分公差等級
HKL
100以下0.20.40.6
100を超え300以下0.30.61.0
300を超え1000以下0.40.81.5
1000を超え2000以下0.51.02.0
対称度(単位:mm)
寸法の区分公差等級
HKL
100以下0.50.60.6
100を超え300以下1.0
300を超え1000以下0.81.5
1000を超え2000以下1.02.0
JMDT02025/9
円筒振れ(単位:mm)
寸法の区分公差等級
HKL
0.10.20.3
1-6参考寸法表示
JISに準じて、普通公差を超える長さ及び角度寸法については、カッコ内に示す。
(例)(20)
2ダイカスト公差
2-1適用部品
アルミニウム及び亜鉛合金ダイカスト部品
2-2表示方法
下記の構成による「等級記号表示」とする。
JISB0403-公差等級記号
2-3公差
1)長さ寸法の許容差
JISB0403の「鋳造品の寸法公差規定のCT4〜CT7等級」を準用する。
(単位:mm)
寸法の区分公差等級
CT4CT5CT6CT7(CT8)
10以下±0.13±0.18±0.26±0.37±0.50
10を超え16以下±0.14±0.19±0.27±0.39±0.55
16を超え25以下±0.15±0.21±0.29±0.41±0.60
25を超え40以下±0.16±0.23±0.32±0.45±0.65
40を超え63以下±0.18±0.25±0.35±0.50±0.70
63を超え100以下±0.20±0.28±0.39±0.55±0.80
100を超え160以下±0.22±0.31±0.44±0.60±0.90
160を超え250以下±0.25±0.35±0.50±0.70±1.00
250を超え400以下±0.28±0.39±0.55±0.80±1.10
400を超え630以下±0.32±0.45±0.60±0.90±1.30
その他の関連事項
型ずれ:指示する公差等級の公差内とする。
肉厚:他の部分に適用する指示公差等級よりも1等級大きい公差とする。
したがって、「CT8等級」は指示公差等級CT7の肉厚のみ適用される
等級である。
JMDT02026/9
2)抜勾配角度の許容差
寸法の区分(mm)公差等級
アルミニウム合金亜鉛合金
3以下±5°±3°
3を超え10以下±2°30′±1°30′
10を超え40以下±1°30′±1°
40を超え160以下±1°±45′
160を超え630以下±45′±30′
3適用するJIS
JISISO規格名称
JISB0403:95ISO8062鋳造品-寸法公差方式及び削り代方式
JISB0405:91ISO2768普通公差-第1部:個々に公差の指示がない
長さ寸法及び角度寸法に対する公差
JISB0419:91ISO2768普通公差-第2部:個々に公差の指示がない
形体に対する幾何公差
JMDT02027/9
附属書
1新旧JIS公差の対比表
JIS-91年改正において、従来から規定の「加工方法毎の普通寸法許容差」に加えて、ISO対応の
「普通公差」が規定され、併用規定の形が採られているが、近い将来には「加工方法毎の普通寸法
許容差」規定は削除される。
1-1打抜き加工の普通寸法許容差(JISB0408)
(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分fmcA級B級C級寸法の区分
超え以下精級中級粗級超え以下
36±0.05±0.1±0.3±0.05±0.1±0.36
630±0.10±0.2±0.5±0.10±0.2±0.5630
30120±0.15±0.3±0.8±0.15±0.3±0.830120
120400±0.20±0.5±1.2±0.20±0.5±1.2120400
4001000±0.30±0.8±2.0±0.30±0.8±2.04001000
10002000±0.50±1.2±3.0±0.50±1.2±3.010002000
1-2曲げ及び絞り加工の普通寸法許容差(JISB0408)
(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分mcvA級B級C級寸法の区分
超え以下中級粗級極粗級超え以下
36±0.1±0.3±0.5±0.1±0.3±0.56
630±0.2±0.5±1.0±0.2±0.5±1.0630
30120±0.3±0.8±1.5±0.3±0.8±1.530120
120400±0.5±1.2±2.5±0.5±1.2±2.5120400
4001000±0.8±2.0±4.0±0.8±2.0±4.04001000
10002000±1.2±3.0±6.0±1.2±3.0±6.010002000
JMDT02028/9
1-3削り加工の普通寸法許容差(JISB0405)
(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分fmc精級中級粗級寸法の区分
超え以下精級中級粗級超え以下
0.5以上3±0.05±0.1±0.2±0.05±0.1-0.5以上3
36±0.3±0.236
630±0.10±0.2±0.5±0.10±0.2±0.5630
30120±0.15±0.3±0.8±0.15±0.3±0.830120
120400±0.20±0.5±1.2±0.20±0.5±1.2120315
±0.30±0.8±2.03151000
4001000±0.30±0.8±2.0
10002000±0.50±1.2±3.0±0.50±1.2±3.010002000
1-4金属焼結品普通寸法許容差(JISB0411)
1)幅の普通許容差(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分fmc精級中級並級寸法の区分
超え以下精級中級粗級超え以下
36±0.05±0.1±0.3±0.05±0.1±0.26
630±0.10±0.2±0.5±0.10±0.2±0.5630
30120±0.15±0.3±0.8±0.15±0.3±0.830120
120400±0.20±0.5±1.2±0.20±0.5±1.2120315
2)高さの普通許容差(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分mcv精級中級並級寸法の区分
超え以下中級粗級極粗級超え以下
36±0.1±0.3±0.5±0.1±0.2±0.66
630±0.2±0.5±1.0±0.2±0.5±1.0630
30120±0.3±0.8±1.5±0.30±0.8±1.830120
JMDT02029/9
1-5ダイカスト品普通寸法許容差(JISB0409)
(単位:mm)
ISO対応規定従来からのJIS
寸法の区分公差等級分割面に
水平方向分割面に
垂直方向寸法の区分
超え以下CT4CT5CT6CT7超え以下
10±0.13±0.18±0.26±0.37±0.25±0.5030
1016±0.14±0.19±0.27±0.39
1625±0.15±0.21±0.29±0.41
2540±0.16±0.23±0.32±0.45
4063±0.18±0.25±0.35±0.50±0.30±0.503050
63100±0.20±0.28±0.39±0.55±0.35±0.605080
100160±0.22±0.31±0.44±0.60±0.45±0.7080120
160250±0.25±0.35±0.50±0.70±0.50±0.80120180
±0.55±0.90180250
250400±0.28±0.39±0.55±0.80±0.60±1.00250315
±0.70-315400
400630±0.32±0.45±0.60±0.90±0.80-400500
2採否
特に明示した場合を除いて、普通公差を超えた工作物でも、工作物の機能が損なわれない場合に
は、自動的に不採用としてはならない。