■処理-熱処理

 

1

 

1-1

 

1記号表示

1-1表示の構成

熱処理の記号による表示は、JISが規定する下記の構成にて示す。

加工の種類の記号-品質の区分の号数

例)高周波焼入れ、高周波焼戻し、2号

HQI-HTI-2

但し、下記の加工の種類については、「品質の区分」規定がないため示さないものとする。

1)窒化

2)軟窒化

3)酸窒化

4)時効(析出)

1-2種類と記号

JISが規定する「加工方法記号」を用いて示す。

用途熱処理の種類加工の種類備考

名称記号

全体焼入焼戻し水焼入焼戻しHQW-HT

硬化水溶液焼入焼戻しHQP-HT

油焼入焼戻しHQO-HT

空気焼入焼戻しHQA-HT

ガス焼入焼戻しHQG-HT

熱浴焼入焼戻しHQS-HT

マルテンパ焼戻しHQM-HT

オーステンパHQAU

部分高周波焼入焼戻し高周波焼入、通常の焼戻しHQI-HT

硬化高周波焼入、高周波焼戻しHQI-HTI

浸炭焼入焼戻しガス浸炭焼入焼戻しHCG-HQ-HT

真空浸炭焼入焼戻しHCV-HQ-HT

プラズマ浸炭焼入焼戻しHCP-HQ-HT

液体浸炭焼入焼戻しHCL-HQ-HT

浸炭窒化焼入焼戻しガス浸炭窒化焼入焼戻しHCNG-HQ-HT

真空浸炭窒化焼入焼戻しHCNV-HQ-HT

プラズマ浸炭窒化焼入焼戻しHCNP-HQ-HT

JMDH01023/12

用途熱処理の種類加工の種類備考

名称記号

表面窒化ガス窒化HNT-G

硬化プラズマ窒化HNT-P

軟窒化ガス軟窒化HNC-G

プラズマ軟窒化HNC-Pイオン軟窒化

塩浴軟窒化HNC-S(タフトライド)

酸窒化ガス酸窒化HON-G

プラズマ酸窒化HON-P

材料焼ならし焼ならしHNR

安定焼なまし完全焼鈍HAF

等温焼鈍HAI

軟化焼鈍HASF

低温焼鈍HAL

応力除去焼鈍HAR

球状化焼鈍HAS

時効硬化処理時効硬化処理(析出熱処理)HG

(析出熱処理)

JMDH01024/12

1-3品質の区分

品質の区分は、「表面硬さのばらつきの許容値」にて区分される。

1)焼入焼戻し

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HV)

単体内同一ロット内

350を超え500を超え350を超え500を超え

350以下500以下るもの350以下500以下るもの

1号202540253060

2号2535604055100

3号3045805580140

4号457012070100180

5号5580-75110-

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HRC)

単体内同一ロット内

35を超え50を超え35を超え50を超え

35以下50以下るもの35以下50以下るもの

1号222333

2号333555

3号444777

4号666999

5号77-1010-

2)高周波焼入焼戻し

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HV)

単体内同一ロット内

500を超え500を超え

500以下るもの500以下るもの

1号558575105

2号7510595125

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HRC)

単体内同一ロット内

50を超え60を超え50を超え60を超え

50以下60以下るもの50以下60以下るもの

1号54.5465.55

2号65.5576.56

JMDH01025/12

3)浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HV)

単体内同一ロット内

500を超え500を超え

500以下るもの500以下るもの

1号356055100

2号458080140

加工品

の品質

の区分表面硬さのばらつき(HRC)

単体内同一ロット内

50を超え50を超え

50以下るもの50以下るもの

1号3355

2号4477

4)窒化

表面硬さのばらつき(HV)

単体内同一ロット内

600を超え600を超え

600以下るもの600以下るもの

456070100

5)軟窒化及び酸窒化

表面硬さのばらつき(HV)

単体内同一ロット内

500を超え500を超え

500以下るもの500以下るもの

358055140

6)焼ならし及び焼なまし

加工品表面硬さのばらつき

の品質単体内同一ロット内

の区分HVHRBHVHRB

1号205256

2号256357

3号307459

4号4085511

JMDH01026/12

2許容値

2-1表面硬さのばらつき

前項の「品質の区分」に準ずる。

2-2硬化層深さのばらつき

1)高周波焼入焼戻し

(単位:mm)

硬化層深さ硬化層深さのばらつき

単体内同一ロット内

有効硬化層深さ1.5以下0.20.4

1.5を超え2.5以下0.40.6

2.5を超え3.5以下0.60.8

3.5を超え5.0以下0.81.0

5.0を超えるもの1.01.5

全硬化層深さ1.5以下0.30.5

1.5を超え3.0以下0.50.8

3.0を超え4.0以下0.81.2

4.0を超え6.0以下1.21.5

6.0を超えるもの1.52.0

2)浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し

(単位:mm)

硬化層深さ硬化層深さのばらつき

単体内同一ロット内

有効硬化層深さ0.5以下0.10.2

0.5を超え1.5以下0.20.3

1.5を超え2.5以下0.30.4

2.5を超えるもの0.50.6

全硬化層深さ0.5以下0.20.3

0.5を超え1.5以下0.30.4

1.5を超え2.5以下0.40.5

2.5を超えるもの0.60.7

JMDH01027/12

3)窒化

(単位:mm)

窒化層深さ窒化層深さのばらつき

単体内同一ロット内

0.3以下0.050.10

0.3を超え0.6以下0.100.15

0.6を超えるもの0.150.20

4)軟窒化及び酸窒化

(単位:μm)

化合物層深さ化合物層深さのばらつき

単体内同一ロット内

5以下23

5を超え10以下45

10を超え20以下67

20を超えるもの810

(単位:mm)

窒化層深さ窒化層深さのばらつき

単体内同一ロット内

0.3以下0.050.10

0.3を超え0.6以下0.100.15

0.6を超えるもの0.150.20

3適用するJIS

JISISO規格名称

JISB0122:78加工方法記号

JISB6911:99鉄鋼の焼ならし及び焼なまし加工

JISB6912:96〃高周波焼入焼戻し加工

JISB6913:99〃焼入焼戻し加工

JISB6914:97〃浸炭及び浸炭窒化焼入焼戻し加工

JISB6915:99〃窒化及び軟窒化加工