■処理-表面処理

1 記号表示

表面処理の記号による表示は、JISが規定する下記の記号を用いる。

種別 種類 素地 新記号 旧記号
電気めっき ユニクロ 鉄鋼 Ep−Fe/Zn5/:D MFZn−U
クロメート 鉄鋼 Ep−Fe/Zn5/CM2:D MFZn−U−C
黒色クロメート 鉄鋼 Ep−Fe/Zn5bk/CM2:D MFZn−U−K
ニッケル 銅合金 Ep−Cu/Ni3b/:D MBNi−T
銅−ニッケル 鉄鋼 Ep−Fe/Cu−Ni5b/:D MFNi−U
黒色銅−ニッケル 鉄鋼 Ep−Fe/Cu−Ni5bk/:D MFNi−U−K
ニッケル−クロム 銅合金 Ep−Cu/Ni3b,Cr0.1r/:D MBCr−T
銅−ニッケル−クロム 鉄鋼 Ep−Fe/Cu−Ni5b,Cr0.1r/:D MFCr−U
無電解めっき ニッケル−りん 鉄鋼 ELp−Fe/NI−P5/:D
ニッケル−りん 鉄鋼 ELp−Fe/Ni−P10/:D
真空めっき ドライプロセス(窒化チタン) 鉄鋼 Dp−Fe/Tic,E−TiN2/:D
化成皮膜 陽極酸化皮膜(アルマイト) Al合金 AA3  
陽極酸化皮膜(アルマイト) Al合金 AA6  
陽極酸化皮膜(アルマイト) Al合金 AA10  
黒色陽極酸化皮膜(黒色アルマイト) Al合金 AA3−BK  
黒色陽極酸化皮膜(黒色アルマイト) Al合金 AA6−BK  
黒色陽極酸化皮膜(黒色アルマイト) Al合金 AA10−BK  
りん酸塩皮膜 SCHP  
黒染(クロパーカ) SOB  
塗装 電着 SPAED  
静電 SPAES  
粉体 SPAP  
スプレ SPAS  

注1)塗装処理の場合は、下記の「塗装仕様」を注記する

種類 色 艶度 模様(内容は次項を参照)

JMDF01023/8


塗装の下地

電気めっき 亜鉛(クロメート) 鉄鋼 Ep−Fe/Zn5/CM2,PA:D

注1)塗装の種類は、塗装仕様と共に、加工方法記号を用いて注記する

注2)溶融又は電気亜鉛めっき鋼板を用いて、塗装する場合は下記の「塗装」項目に準ずる

2 めっき

2-1 記号による表示方法

金属表面処理記号による表示は、次に規定する構成と記号にて示す。

なお、JISが規定する表示方法は二通りあるが、他方の厚さ等級にて表示する簡易な

方法は「当分の間使用してもよい」との表現にて、将来削除される可能性が高いため、

用いないことにする。

1)表示の構成

XXx-Xx/Xx00xx/XXX:X

使用環境

後処理

めっきのタイプ

めっきの厚さ

めっきの種類

素地の種類

めっきを表す

2)めっき記号

記号めっき

Ep電気めっき

ELp無電解めっき(化学)

Dp真空めっき

3)素地の種類記号

記号素地の種類

Fe鉄鋼及びそれらの合金

Cu銅及びその合金

Alアルミニウム及びその合金

Zn亜鉛及びその合金

4)めっきの種類記号

記号めっきの種別記号めっきの種別多層の場合には、素地に近い

Zn亜鉛Au金順にめっきの厚さ及びタイプを

NiニッケルAg銀含めて、左から右に各記号を

CrクロムSn錫コンマで区切って示す。

Cu銅Pdパラジウム例)/Ni3b,Cr0.1r/

Cdカドニウム

JMDF01024/8

5)めっきの厚さ等級

記号による表示につては、「最小厚さの値」を用いる。

下記に示す「めっき最小厚さ」は、有効面での最小厚さである。

(単位:μm)

めっきの種類素地の種類等級めっき最小厚さ

下地最上層

亜鉛鉄鋼1級2

2級5

3級8

4級13

5級20

ニッケル銅及び銅合金1級3

2級5

3級10

銅-ニッケル鉄鋼1級3

2級5

3級10

4級15

5級20

ニッケル鉄鋼1級30.1

-クロム2級50.1

3級100.1

4級150.1

5級200.1

ニッケル銅及び銅合金1級20.1

-クロム2級50.1

3級100.1

4級250.1

銅-ニッケル鉄鋼1級30.1

-クロム2級50.1

3級100.1

4級150.1

5級250.1

JMDF01025/8

(単位:μm)

めっきの種類素地の種類等級めっき最小厚さ

下地最上層

無電解ニッケル鉄鋼、1級3

-りん銅及び2級5

銅合金3級10

4級15

5級20

6)めっきのタイプ記号

記号めっきのタイプ

b光択めっき

bk黒色めっき

r普通めっき(クロムの場合)

7)後処理記号

記号後処理複数の後処理を行う場合には、処理操作の

CM1光択クロメート処理順又は素地に近い順に左から右に各記号を

CM2有色クロメート処理コンマで区切って示す。

PA塗装例)/CM2,PA:

8)使用環境記号

記号使用環境

A腐食性の強い屋外環境海浜、工業地域等

B通常の屋外環境田園、住宅地域等

C湿度の高い屋内環境浴室、厨房等

D通常の屋内環境住宅、事務所等

JMDF01026/8

3化成皮膜

3-1陽極酸化皮膜

一般的に(アルマイト(ALMITE)/登録商標)と呼ばれている陽極酸化処理は、下記の

「専用記号」で示す。

(単位:μm)

記号最小厚さ主な用途

AA33反射板、家電内装部品等

AA66台所用品、日用品、家電部品、装飾品、車両内装、建築屋内部材等

AA1010

AA1515台所用品、車両外装、土木建築屋外部材、船舶用品等

AA2020

3-2酸化皮膜

JISが規定する「加工方法記号」を用いて示す。

なお、JISに加工方法記号の規定がない表面処理の種類については、注記にて指定する。

記号種類

SOB黒染(クロパーカ)

SCHPりん酸塩皮膜

(なし)りん酸マンガン皮膜

JMDF01027/8

4塗装

4-1塗装記号

塗装方法よって、JISが規定する「加工方法記号」を用いて示す。

記号塗装方法

SPAED電着塗装

SPAES静電塗装

SPAP粉体塗装

SPASスプレ塗装

4-2塗装仕様

塗装の場合には、下記の塗装仕様を注記する。

仕様項目種類備考

塗料メラミン

ポリエステル

エポキシ

ポリウレタン

アクリル

色DIC(国内)、PANTONE(国外)等、市場性

のあるメーカの色見本番号にて指定する。

艶度全艶

7分艶

5分艶等

模様なし

メタリック

ハンマネット

パール

フランボヤン

リンクル

レーザートーン

レーザーサテン

ラビ

JMDF01028/8

5適用するJIS

JISISO規格名称

JISB0122:78加工方法記号

JISH0404:88ISO1456他電気めっきの記号による表示方法

JISH8601:99ISO7599アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜

JISH8610:99ISO2081電気亜鉛めっき

JISH8615:99ISO6158工業用クロムめっき

JISH8617:99ISO1456ニッケルめっき及びニッケル-クロムめっき

JISH8645:99ISO4527無電解ニッケル-りんめっき

JISH8690:93ドライプロセス窒化チタンコーティング